ちぐはぐなブログ

アイドルと映画と読書が好き

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GANG PARADEを知っているだろうか?

GANG PARADE、通称ギャンパレ。

みんなの遊び場をテーマとした13人組女性アイドルグループだ。

ギャンパレについてはネットで検索したら様々な記事が出てくるので、それを参考にしてほしい。

今回は私とギャンパレの出会いの話をしたい。

 

ギャンパレを知ったきっかけはWACK合宿オーディション2018。

当時BiSを好きになったばかりの私はこのオーディションを通じてギャンパレの存在を知った。

こんなにも泥臭くて人間臭いアイドルさんを知らなかったので、とても衝撃的だったことを覚えている。

 

応援したいと感じたのは合格発表の瞬間。

合格メンバーを温かく迎える空間に愛おしさが込み上げた。

その光景を見ているだけで、ストンと好きになった。

恋に落ちる瞬間に似ていたように思う。

衝動的にギャンパレのCDを全部買った。

 

初めて足を運んだのはLAST GANG PARADEのリリースイベント、タワレコ名古屋近鉄パッセに行ったことだ。

アイドルさんに会いに行ったのはこれが初めてだった。

パフォーマンスに、メンバーと遊び人たちで作り上げられていく遊び場に、圧倒されてただただ泣いていた。

世界でいちばん熱い冬だった。

 

初めてのライブはCHALLENGE the LIMIT TOUR at 大阪城野外音楽堂

この野外ライブは伝説になるぞ、と本能が囁いていた。

人生で初めてのライブ参戦だった。

この日見た景色は一生忘れないと思う。

私のいちばん長い日だった。

 

これが私とギャンパレの出会い。

出会いだけが終わりではなく、その先がまだまだ続いている。

 

かつて「絶対に世界変えるんだ絶対に世界変えようね」、と歌ったアイドルさんがいた。

今ギャンパレは「世界に傷跡をつけたいんだよ消えないほどに深く生きた証を」と歌っている。

 

終わりを認めればどんなに楽だろうか。

それでも彼女たちは立ち上がって、この道が続く限り、ただ前に進んでいく。ただ走り出す。

たとえそれが遠回りだったとしても、続きはもっと大勢で見ていきたいから。

まだ足りないから。

在宅オタクが推しに会いに行った話

「ここってCD列ですよね?」

‌この一言で、私のNEVER ENDING PARADE TOURが始まったように思う。

 

一度、時を3年前のあの日に戻そう。その日はタワーレコード名古屋近鉄パッセ店でLAST GANG PARADEのリリースイベントが開催された。

数年間在宅オタクを極めていた私は、妙な高揚感を抱きながら、片道数時間の距離を電車に揺られていた。

そう、リリースイベントに参加しようとしていたのだ。日程を確認し、休みだなぁなんて思っていたら、気づけば電車に乗り込んでいた。

初めて1人で立つ名古屋駅名古屋駅構内を彷徨いながら、彷徨いながら、何とか辿り着いた。迷子になった挙句、2部しか参加できなかったことは内緒である。

 

初めて対面するGANG PARADE

初めて同じ空間で同じ時間を過ごした遊び人。

初めて体感した遊び場。

私は彼女たちのパフォーマンスに、彼ら彼女らと作り上げる遊び場に、ただただ圧倒されていた。気づけば信じられないくらい泣いていた。

 

そんな時、彼女と目が合った。

ユメノユアちゃん。

サビを歌い上げるユアちゃんが、遊び人全員に向けて歌っているはずなのに、私のためだけに歌ってくれているように感じた。

いや、目が合っていた。ユアちゃんと私だけが同じ時間を共有していた。していないとは言わせない。私にはそう感じたし、そう感じさせるだけの熱量がユアちゃんにはあったのだ。

 

ミニライブ後、慌ててCDを追加購入した。

ユアちゃんに会いたい一心だった。

涙を乾かして、笑顔の私で会いたかった。

しかし特典会というものをあまり理解できていなかった私は、その日ユアちゃんとチェキを撮ることが叶わなかったのである。

 

そして現在。あれから3年経った今日。ユアちゃんにあの日の感謝を伝えるためにCD物販列に並んでいた。

初めてのリリースイベントも―回想しなかったが―初めてのライブも、3年前だった。3年のブランクはあまりにも大きく、ほぼ初参戦と同じであった。

緊張に緊張を重ね、鎧の上から岩を載せられたかのような体の重さを感じた。こんなことは初めてだった。

 

ここで冒頭に戻る。

「ここってCD列ですよね?」

派手柄のシャツを着た、ハンサムな女性に話しかけられた。

緊張と人見知りを掛け合わせた私は、ある種無敵なほどに動揺した。何を言ったか覚えていないが、恐らく肯定したのだと思う。

アイコスを忘れたとか何とか言っていたが、その声は右耳から左耳へ通り過ぎる。言葉を理解できていないのだから愛想笑いを徹底するしかない。

気まずい時間を作ってしまい申し訳なかったと、今ここで謝罪したい。あの時はすみませんでした。

でもあなたが話しかけてくれたおかげで、少し緊張が解れたことも、ギャンパレに会いに来たんだって気持ちが蘇ったことも、事実である。今ここで感謝を伝えたい。あの時はありがとうございました。

 

さて無事にCDを購入した。

無意識のうちに3枚購入していた。

来月のクレジットカードの請求が怖いものである。

 

少し名古屋を散策し、舞い戻ってきた特典会。

ここでも特典会というものを理解しておらず、あっちへ行きこっちへ行きを繰り返す。

スタッフさんの声を聞き逃すまいと、自身の聴覚に焦点を当てる。

 

まず並んだのはチャンベイビー2ショットチェキ列。

推しが突如脱退し、ギャンパレに出会わせてくれたメンバーが脱退し、悲しみに暮れていた私にギャンパレの良さを再確認させてくれた最推しだ。

 

特典会のチェキ列に並ぶ喜びは並ぶことでしか味わえないと思う。

緊張で口内に乾燥機を導入したのかと思うレベルで水分が消え去る。

推しが自分のためだけに、大切な人生のほんの一瞬を空けてくれる。

何を伝えようか、どこを見ようか、どんな体勢で立っていようか。小学生の発表シーンかと思うほどに同じことを考え続ける。

人の感情は色とりどり鮮やかに輝いているが、短時間で自分の感情をこれほど引き出すことは後にも先にもこの瞬間だけだと思う。

 

ベビちゃん。

チェキを本の栞にして毎日持ち歩きたいと伝えたらすごく褒めてくれた。

じゃあ読書している姿にするねって可愛い笑顔で落語家さながら本を開いてくれた。その姿を横から見つめることができた。あの一瞬が世界でいちばん幸せな春だと思う。

おすすめの本を教えてほしいと質問され、傍らチェキを差し出され、焦る私に向かって耳をパーテーションに近づける姿。

たくさんの遊び人がベビちゃんとの時間を楽しみに並んでいるのに、今この瞬間だけは私の話に耳を傾けてくれている。こんなに愛おしいと思ったことはない。

 

ここでも1つ謝罪したい。

焦るあまりに海と毒薬を勧めてしまった。

あの本は推しにおすすめするようなHappy Lucky Kirakira Luckyな小説ではない。

これに関しては本当に反省している。会社ですらこんなに反省したことはない。

せっかくなら地下にうごめく星とかおすすめすれば良かった。

 

次に並ぶはキャ・ノン2ショットチェキ列。

何を隠そう、彼女は前世から一目惚れをした織姫と彦星の関係性である。

更には私のあだ名はのんちゃん。

もうこれはカストルポルックスの関係性である。もちろんノンちゃんがポルックスだ。

 

ノンちゃんとの特典会はあまり記憶に残っていない。

あまりの神々しさに人間の子の私の脳は強すぎる光を避けきれずにいたのだと思う。イーダースとリュンケウス兄弟と戦うどころか、出会う前にノックアウトされてしまった。

ただ覚えていることはうさぎのノンタンポーズをするノンちゃんの横顔を独占できたことだ。あの一瞬が世界でいちばん眩しい春だと思う。

だが記憶にございませんでは終われない。次回こそリベンジする。予定の決定を加速する。

 

待ちに待ったユメノユア2ショットチェキ列。

矢継ぎ早にあの日の涙とあの日の感動を伝える。自分でも何を言っているかわからないほどだった。きっとユアちゃんにも伝えたいことは伝わっていなかったと思う。

それでも私の言葉を噛み砕いて理解してくれた。ずっと好きでいてくれてありがとうなんて言葉を授かった。こちらこそだよ。

ずっとギャンパレでいてくれてありがとう。

ずっと好きでいさせてくれてありがとう。

ギャンパレを好きな私が、ユアちゃんを好きな私が、私も大好き。私自身を好きにさせてくれてありがとう。

あの瞬間、私は1月の寒い冬の風を感じて、思い出して、涙を堪えていた。世界でいちばん熱い冬だった。

 

チェキを撮り終えた私は開場まで名古屋を再度散策する。

ずっと探していたアルバムをタワレコで購入できたこともここに記す。

お父さんに自慢した。お父さんも持っていた。もっと早く言ってくれ。

 

話が脱線してしまった。愚連隊行進に再度加わろう。

 

開場時間から少し過ぎた頃。Zepp Nagoyaに戻ってきた。

初めてのライブハウス。

ドリンクシステムをあまり理解できていなかったのであまり好きではない綾鷹を買ってしまった。いろはすジンジャーエールにすればよかった。

だが後悔してももう遅い。私の利き手には525mlの綾鷹が握られている。まぁまぁ多いなとペットボトルの内容量を見つめながら席を探す。

ついに見つけた1階O列10番席。

席に着くと思いの外、口や唇が乾いている。自分でも気づかなかったが、私はどうやら緊張しやすいらしい。

心を落ち着かせようと綾鷹を口に含む。美味しかった。

 

開演時間を待っていることは、いつの時代もどんなシーンでも、風船を楽しみの気持ちで膨らませている気分だ。

待たされるほどに喜びの感情が泉のように湧き上がる。自分でも気づかなかったが、私はどうやらドMらしい。

心を落ち着かせようと再度綾鷹を口に含む。やはり美味しかった。

 

期待に胸を膨らませているとココちゃんの影ナレが始まった。

終始楽しそうな嬉しそうなその声に、恋しさとせつなさと心強さが入り交じる。

遊び人にこんな声を届けてくれるんだなぁ。この柔らかい声色は現地でしか味わえないのではないかと思う。現実世界は仮想空間よりまだ先を歩いているらしい。

 

開演から終演までは本当にあっという間だった。数時間の公演が数分程度に感じられるほどにドーパミンの量が増えていたようだ。

表情筋が筋肉痛になるほど笑っていた。足腰に羽が生えたかのように飛びまくった。ダンスをうろ覚えの曲も、ダンスを完璧に覚えている曲も、全身全霊で踊り抜いた。想像以上に下手なダンスを披露しながらも楽しみまくっていた。

これが遊び場。

ここが遊び場。

私のいちばん短い日であった。

 

ここで少し泣いた曲を紹介する。

シグナルとINVOKEだ。シグナルでマスクを濡らし、INVOKEでしゃっくりが出るほど泣いた。

腕を振り上げることができないほど、目を抑えることしかできないほど、涙がこぼれ落ちた。

 

曲が終わった一瞬、月ノちゃんと目が合った。

美人な笑顔がふわりと揺れる。ニコッと笑うとは、まさにこのこと。教科書に載せられるほどに、絵に描いたような本で読み上げるような、擬音語が胸に響いた。

 

きっと月ノちゃんはその一帯にいる遊び人全員に向けて笑いかけたはずなのに、私のためだけに笑顔を見せてくれたように感じた。

いや、目が合っていた。月ノちゃんと私だけが同じ時間を共有していた。していないとは言わせない。私にはそう感じたし、そう感じさせるだけの優しさが月ノちゃんにはあったのだ。

今度は月ノちゃんにお礼参りに行こう。予定の決定に決定を重ねる。

 

ライブに参戦するといつも思う。

今この空間にいる人たちは、全員がギャンパレを愛しているんだなと。今この時間を共有している人たちは、全員がギャンパレに救われたんだなと。

 

アイドルさんやアーティストさんはいつも言う。

応援してくれてありがとう。連れてきてくれてありがとう。

そんなことはこちらが言いたい。

応援させてくれてありがとう。連れてきてくれてありがとう。好きにさせてくれてありがとう。

あなたを好きなこの気持ちが、私の人生を豊かにしてくれる。温かくしてくれる。色鮮やかに染めてくれる。そして私自身のことを好きにさせてくれる。

ありがとう。生まれてくれてありがとう。